2012年12月22日土曜日

「レ・ミゼラブル」

トム・フーパー監督「レ・ミゼラブル」を鑑賞しました。これは正直得意不得意が別れる作品だと思います。当たり前ですがミュージカル苦手な人にはお薦めできません。私個人としては満足な作品です。キャスト陣の歌声は素晴らしく、中でも薄幸な人生を如実に表すマーラーをアン・ハサウェイがノーカットで見事に歌うシーンが印象的でした。またソロのみで無く、ヒュー・ジャックマンやアマンダ・サイフリッドらのアンサンブルの調和も見事で、どれほど練習したか検討もつきません。もちろん歌声だけでなくそれに伴う演技にも目を離せません。ある映画館では見終わった後、観客のスタンディングオベーションが起きたそう…そんな気持ちにさせられます。

クリスマス、大切な人と見る映画にお薦めです。(僕は男と一緒に観ましたが…笑)


2012年12月16日日曜日

「ホビット 思いがけない冒険」

先日公開された「ロード・オブ・ザ・リング」の前日譚にあたるお話「ホビット」を観てきました。この「ホビット」をやると聞いてから、公開まで本当に長かった…未だかつてこんなに映画を待ち望んだ事はありませんでした。そしてその期待を遥か上をゆく面白さでした。圧巻のバトルシーン、映像美…3Dメガネをかけてなくても映画の中に入り込む様な没入感。また今作もハワード・ショアが音楽を担当しており、前作のテーマを懐かしめます(アレンジは効いていますが)。音響も設計されつくされており、臨場感が半端ないです。

今作としての幕引きも、続編への伏線も、何をとっても最高!今作もガンダルフが大活躍します(^^)

あ〜、早く続編観たい!!



2012年12月2日日曜日

「重力ピエロ」

森淳一監督「重力ピエロ」
伊坂幸太郎が自画自賛するミステリー。
といってもミステリー要素は少なく、家族の絆をメインテーマにした兄弟のお話。
わりと原作通りに話は展開されます。原作では時系列の整理が大変でしたが映像化されたことにより混乱せずストーリーを追うことができます。
そして映画をみて気づいたことが、この冒頭と終焉におけるシンメトリー性です。冒頭のセリフを幕切れで使うことは映画ではよくあることですが、それだけでなく、父の「二人で遊んできたのか」や夏子、そしてガンジーなどすべてが対になって最後登場していることで、伊坂幸太郎の奥深さを改めて実感しました。これも遺伝子構造とかけてるのかな。
加瀬亮の冴えない大学院生の演技は、私も大学院生なので痛いほど伝わりました。ただ夏子を演じた吉高由里子、もう少し首尾一貫した演技をみせて欲しかっです。しかし総じて映画単体として評価しても素晴らしく、伊坂幸太郎の世界を味わうには十分すぎる作品だと思います。

最後にタイトルの意味であるお気に入りのセリフを。

「楽しそうに生きてれば、地球の重力なんてなくなる」
「その通り。わたしやあなたは、そのうち宙に浮かぶ」


「遠くの空に消えた」

2007年公開の行定勲監督によるオリジナル作品「遠くの空に消えた」を観ました。
日本の田舎なのだが、どこか外国の雰囲気や空気感があります。それは音楽だったり建物だったりいろいろな場面で感じることができました。きっとこれが行定勲の思い描くファンタジーなのでしょう。

ストーリーはそれほど胸を熱くさせる程のものではありませんでした。登場人物が多いため主人公(神木隆之介)に焦点があまり当たらず感情移入ができなかったことが残念です。しかし映像は綺麗で、CGの使い方もとても上手。

そして「蜂は航空力学上は飛ぶことができない、ではなぜ飛べるか? - 飛ぼうと思ったからだよ。」というセリフがお気に入りです。


2012年12月1日土曜日

「きみに読む物語」

ニック・カサヴェテス監督「きみに読む物語」(2004年アメリカ)を観ました。認知症で過去を思い出せない女性に、老人がある物語を語ります。その物語はノアという木工業を生業とする青年とアリーという富豪家生まれの美少女のお祭りでの出会い、恋に落ちる話。ラブストーリーの設定は期待を裏切らないベタな展開に進みますが、そこがいい。また認知症に重きを置かず、感動の種の1つにしていることでとても見やすく、綺麗なお話になっています。

レイチェル・マクアダムスとライアン・ゴズリングの熱い愛の表現(笑)には少しドキドキします。ジェームズ・ガーナーも相変わらず瞳の演技が上手です。