2012年12月22日土曜日

「レ・ミゼラブル」

トム・フーパー監督「レ・ミゼラブル」を鑑賞しました。これは正直得意不得意が別れる作品だと思います。当たり前ですがミュージカル苦手な人にはお薦めできません。私個人としては満足な作品です。キャスト陣の歌声は素晴らしく、中でも薄幸な人生を如実に表すマーラーをアン・ハサウェイがノーカットで見事に歌うシーンが印象的でした。またソロのみで無く、ヒュー・ジャックマンやアマンダ・サイフリッドらのアンサンブルの調和も見事で、どれほど練習したか検討もつきません。もちろん歌声だけでなくそれに伴う演技にも目を離せません。ある映画館では見終わった後、観客のスタンディングオベーションが起きたそう…そんな気持ちにさせられます。

クリスマス、大切な人と見る映画にお薦めです。(僕は男と一緒に観ましたが…笑)


2012年12月16日日曜日

「ホビット 思いがけない冒険」

先日公開された「ロード・オブ・ザ・リング」の前日譚にあたるお話「ホビット」を観てきました。この「ホビット」をやると聞いてから、公開まで本当に長かった…未だかつてこんなに映画を待ち望んだ事はありませんでした。そしてその期待を遥か上をゆく面白さでした。圧巻のバトルシーン、映像美…3Dメガネをかけてなくても映画の中に入り込む様な没入感。また今作もハワード・ショアが音楽を担当しており、前作のテーマを懐かしめます(アレンジは効いていますが)。音響も設計されつくされており、臨場感が半端ないです。

今作としての幕引きも、続編への伏線も、何をとっても最高!今作もガンダルフが大活躍します(^^)

あ〜、早く続編観たい!!



2012年12月2日日曜日

「重力ピエロ」

森淳一監督「重力ピエロ」
伊坂幸太郎が自画自賛するミステリー。
といってもミステリー要素は少なく、家族の絆をメインテーマにした兄弟のお話。
わりと原作通りに話は展開されます。原作では時系列の整理が大変でしたが映像化されたことにより混乱せずストーリーを追うことができます。
そして映画をみて気づいたことが、この冒頭と終焉におけるシンメトリー性です。冒頭のセリフを幕切れで使うことは映画ではよくあることですが、それだけでなく、父の「二人で遊んできたのか」や夏子、そしてガンジーなどすべてが対になって最後登場していることで、伊坂幸太郎の奥深さを改めて実感しました。これも遺伝子構造とかけてるのかな。
加瀬亮の冴えない大学院生の演技は、私も大学院生なので痛いほど伝わりました。ただ夏子を演じた吉高由里子、もう少し首尾一貫した演技をみせて欲しかっです。しかし総じて映画単体として評価しても素晴らしく、伊坂幸太郎の世界を味わうには十分すぎる作品だと思います。

最後にタイトルの意味であるお気に入りのセリフを。

「楽しそうに生きてれば、地球の重力なんてなくなる」
「その通り。わたしやあなたは、そのうち宙に浮かぶ」


「遠くの空に消えた」

2007年公開の行定勲監督によるオリジナル作品「遠くの空に消えた」を観ました。
日本の田舎なのだが、どこか外国の雰囲気や空気感があります。それは音楽だったり建物だったりいろいろな場面で感じることができました。きっとこれが行定勲の思い描くファンタジーなのでしょう。

ストーリーはそれほど胸を熱くさせる程のものではありませんでした。登場人物が多いため主人公(神木隆之介)に焦点があまり当たらず感情移入ができなかったことが残念です。しかし映像は綺麗で、CGの使い方もとても上手。

そして「蜂は航空力学上は飛ぶことができない、ではなぜ飛べるか? - 飛ぼうと思ったからだよ。」というセリフがお気に入りです。


2012年12月1日土曜日

「きみに読む物語」

ニック・カサヴェテス監督「きみに読む物語」(2004年アメリカ)を観ました。認知症で過去を思い出せない女性に、老人がある物語を語ります。その物語はノアという木工業を生業とする青年とアリーという富豪家生まれの美少女のお祭りでの出会い、恋に落ちる話。ラブストーリーの設定は期待を裏切らないベタな展開に進みますが、そこがいい。また認知症に重きを置かず、感動の種の1つにしていることでとても見やすく、綺麗なお話になっています。

レイチェル・マクアダムスとライアン・ゴズリングの熱い愛の表現(笑)には少しドキドキします。ジェームズ・ガーナーも相変わらず瞳の演技が上手です。



2012年11月26日月曜日

「ファーゴ」

「ファーゴ」(1996年アメリカ)
言わずと知れたコーエン兄弟の代表作のひとつ。前作の「ビッグ・リボウスキ」に続き今作も「誘拐」をモチーフにしたもので、冒頭「This is True Story.」から始まります。これがこの映画の最大の演出で、この一文で観客の脳裏に現実を意識させます。これにより徐々に起こる事件の狂気さをより一層感じてしまう、言わばコーエン兄弟のマジックにかかってしまいます。
真っ白な雪景色に真っ赤な鮮血、無口な大男とおしゃべりな小男、子供を授かった名刑事と子供を放置して逃亡する男…コントラストをはっきりさせて描かれる人物やシーン描写に、すべてが計算された撮影。
ここまで完璧な映画を作り出せる監督はコーエン兄弟以外にいるのでしょうか。
フランシス・マクドーマンド(刑事)、ウィリアム・H・メイシー(夫)、スティーヴ・ブシェミ(小男)…俳優陣の演技力にも申し分無いというよりリアルそのものです。
本当にお薦めの映画です、ぜひ。




「バス男」

「バス男」(2004年アメリカ)
本当にこの邦題ほどひどいものは無いと思います。原題は「Napoleon Dynamite」で「バス男」は当時日本で流行した「電車男」に肖って付けたそうです。バスは交通手段として使用しているだけで特に重要でもなんでもありません(むしろ主人公は自転車の方がよく乗っている…笑)
この映画はアメリカのミニシアターで始まり、口コミで広がり全米のヒット作となりました。決して「電車男」のパロディ映画でもなんでもなくとても面白い作品です。シーンの色使いがとても上手で、それは序盤の配給会社の紹介シーンでよくわかります。シュールな笑いとテンポのいいストーリーで飽きることなく、こんなお洒落なオタク映画があるのか?!と感動しました。主人公のジョン・ヘダーの演技なのか素なのかわからない程の表現力も注目です。


「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」

「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」
私も来年度からブラックと呼ばれている企業で働くので丁度いいと思い鑑賞しました。
わりと期待してみただけにかなりがっかりした映画でした。今年観た映画ではかなり下位になります。昨年就職活動をしていた際、ブラックという言葉が大嫌いでした。「その企業ブラックだからやめとけ」など周りから言われたりもします。人それぞれ何に価値を見出すかは違う訳で、人によってブラックの定義は異なるはずです。
今作では中卒ニートが主人公の設定で、この場合のブラックの定義は何かを考えた時…それはきっと人に必要とされないことだと思うのです。しかしこの主人公は序盤から重要な仕事を与えられ、さらにはリーダーに認められ「どこがブラック?」と思ってしまいました。
監督は「キサラギ」で高評価を受けた佐藤祐市です。


2012年11月19日月曜日

「エヴァンゲリオン新劇場版:Q」

公開2日目に今最も話題の映画「エヴァンゲリオン新劇場版:Q」を観てきました。感想を一言で言えば【複雑】で、理解に苦しみます。そもそもヱヴァンゲリヲンは諸説いろいろあり、卒業研究にでも成り得そうな量の解説があるみたいなので、その辺りはマニアの人達に任せるとします。
理解ができなかったのでこの映画はハズレだったかというとそうでもなく、映像美、音響に関してだけでも楽しめますし、何よりこの映画をみた!という事実だけで一つの話のネタになります。上司がエヴァ好きなら飲みにも行けますし、友達と討論してみるのも楽しいかと。
エヴァンゲリヲンはビジネスモデルとしても魅力的で、あらゆる企業のタイアップや宣伝方法なども勉強になります。
エヴァをラーメンで例えると次郎系に属し、いざ食べに行くともういいやと思ってしまうのですが、なぜかこれがまた食べたくなる中毒性があります。現在、次回作は映画館で見る気は全く無くレンタルで見ようと思っていますが、実際には映画館に足を運ぶ自分がいると思います。
この中毒性こそがエヴァンゲリヲンの最大の魅力で、それを創りだす庵野秀明監督の才能ではないでしょうか。
個人的にはレイよりアスカ派なので、今回はアスカが大活躍だったので満足です。


「ヒトラーの贋札」

「ベルンハルト作戦」…第二次世界大戦のさなか、ドイツ政府がイギリスの経済撹乱を狙い画策した史上最大の紙幣贋造事件。この偽札作りの第一人者であるユダヤ人印刷工アドルフ・ブルガーの証言によって制作された映画「ヒトラーの贋札」(2007年)を観ました。
キャッチコピーは『完璧な贋札。それは俺たちの命を救うのか。それとも奪うのか-』。囚われたユダヤ人がナチの令により、ポンド紙幣の偽造制作に働き延命します。
深く、重いテーマの映画です。しかしグロ映像はそこまで無いので戦争の兵器ではなく頭脳戦、あまり知られていない事実を知るためにもぜひ観ておくべき映画だと思います。戦争を経験していない我々世代は、一層重く受け止めなければならないテーマです。


「眉山」

松嶋菜々子主演、「眉山」観ました。
10月に長崎へ観光に行った際、眉山をドライブしたのでその影響から。
蓋を開けて知ったのですが、今作の眉山は徳島県にあり、長崎の眉山とは関係がないということ。そもそも私が行った山は(まゆやま)であるとwikiで知りました…お恥ずかしい。

きっかけはとにかくとして、この映画「眉山」は母の愛をテーマにしたヒューマン映画です。犬童一心監督、原作はさだまさしです。犬童監督は「ジョゼと虎と魚たち」でもそうだった様に本当に人物描写が上手です。松嶋菜々子と松本信子の演技がその特徴を顕著に表現しています。特に松本信子の唇の動きから指先まで全身全霊をかけた演技は「素晴らしい」以上の言葉が思いつきません。
今作の最大の目玉は徳島県名物阿波おどりです。私はそれを実際に見に行ったことはありませんが、映画とは思えないほど壮大なスケール、しかしリアリティを追求していて見るものを虜にします。

音楽は「ごくせん」で有名な大島ミチル、エンディングのレミオロメン「蛍」もいい曲です。

2012年11月5日月曜日

「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」

マイク・ニコルズ監督「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」。実在の冷戦終結の功労者チャールズ・ウィルソン、彼がソ連の進行に抵抗するアフガニスタンを援助する模様を描いています。トム・ハンクスがチャーリーという人物像を表現しています。このチャーリーの特徴として切り替えの速さがあります。酒と女と仕事などの転換が映画の随所で見て取れます。特にガス(フィリップ・シーモア・ホフマン)との対話のシーンは秀逸。関係無いけどチャーリーが女好きだけあり、ジュリア・ロバーツやエイミー・アダムスなどの美女がかなり出ています。設定がコメディチックな様でストーリーは真面目そのもの。

ここから勉強がてら歴史の整理。
なぜアフガニスタンをソ連もアメリカも狙うのか。それはアフガニスタンに眠る豊富な地下資源(レアメタル)とホルムズ海峡のため。ソ連はアフガニスタンの隣国なので、喉から手が出る程欲しいところ。
ソ連とアフガンの共産主義に対し、「ムジャヒディン」(信仰のための戦士)を支援したのがアメリカです。
さらにアメリカCIAは世界中から急進派のイスラム教徒たちをパキスタンに呼び集め、アフガンのムジャヒディンと共に対ソ戦を戦わせます。
この何万人もの若きイスラム教徒の中に、オサマ・ビンラディンもいました。

…とまで言えば映画の最後のフレーズの意味がわかるはずです。
深く勉強になる映画でした。



「クヒオ大佐」

「クヒオ大佐」を観ました。監督は「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」で注目を浴びた吉田大八です。
とても斬新な始まりをする映画で、吉田監督のカリスマ性光る作品だと思います。

事前知識を持たない状態で観たので、なんの話かと思ったらいい意味でくだらない話でした。
個人的に「悪人」を見てからハマッてしまった満島ひかり。そして今作も彼女の演技が素晴らしすぎる。「愛のむきだし」にて「もはや狂気とも呼べる領域に達した満島の芝居にすべてが圧倒された」と園監督に言わしめただけあります。彼女は今後も要注目です。
またホステス役の中村優子、役に対する熱意に脱帽です。実際に映画の撮影前、女優であることを伏せ、銀座のクラブで働いていたのだそう。実際に指名も受けていたそうなので驚きです。
そして何より堺雅人がクヒオ大佐を演じたことが、この映画の面白さを際立てています。


「幸せへのキセキ」

キャメロン・クロウ監督「幸せへのキセキ」鑑賞。
マット・デイモンが主演、スカーレット・ヨハンソン、エル・ファニングと私が大好きな俳優達。さらに「あの頃ペニー・レインと」で主役を務めたパトリック・フュジットも出ています。キャメロン・クロウの推薦かな。
まず突っ込むべきはこの邦題です。日本人が大好きな日本語トップ10の内の2つ言っても過言ではない、“幸せ”と“キセキ”のワードがドッキング。原題の「We bought a Zoo」だとなぜ駄目なのか配給会社に説明して頂きたいところ。こんな安っぽい邦題のせいでかなり損していると思います。
ストーリーは感動の実話を基に作られていますが、…普通です。特筆することは無く、この映画は俳優陣の演技を見るため。動物達をはるかに凌ぐエル・ファニングの可愛さは必見です(←ただ単に自分が大好きなだけ)
個人的に気に入ったのがサントラで、先日観た「アルゴ」も手掛けたロドリゴ・プリエトが担当。また作中ところどころ流れるアコースティックな曲達がとても心地良かったです。今度サントラ借りよう。


「ビッグフィッシュ」

ティム・バートン監督「ビッグフィッシュ」。
意外にもユアン・マクレガー作品はこれが初でした。タイトルのビッグフィッシュは大きな魚という意味の他にホラ話という意味があります。父エドワード・ブルーム(アルバート・フィニー)と、父の御伽話に嫌気がさしている息子ウィル・ブルーム(ビリー・クラダップ)との和解と愛がテーマです。しかし僕が感じた事は別にあります。
“話を盛る”- 言い換えれば脚色はなぜ起こるのか。それは自分の記憶が事実より美化され、その素晴らしい思い出を相手と共有したいと思うからだと思います。例えばエドワードの青年期(ユアン・マクレガー)にサンドラ(アリソン・ローマン)と結ばれるシーンがあります。何万本もの水仙の花で囲まれたとても素敵なシーンですが、それが事実かどうか、それは重要では無いのです。大切なのはそれほど素晴らしい思い出だったという事。それは真実であり、相手に伝えたいと思うから、エドワードは誇らしげに楽しそうに語ります。これが「話に尾ひれをつける」=「ビッグフィッシュ」の真の意味では無いでしょうか。

音楽はティム・バートンの常連、ダニー・エルフマンが担当。



2012年10月28日日曜日

「アルゴ」

26日に公開したベン・アフレック監督、主演の映画「アルゴ」を観てきました。
イラク国民のクーデターによりイラク国内に取り残された外務官6名を米国に移すために、CIAの“救出”のスペシャリスト、トニー・メンデス(ベン・アフレック)がその役を務めます。
いかにイラク人を騙し、米人を逃がす事ができるのか…彼が立てた作戦がハリウッド作戦と呼ばれるSF映画のロケハンを偽装するという斬新なもの。
この一見愚考かつ稚拙に思える話が実話なのだから面白い。
映画は常に、イラク人の予知不能な民族性で緊張感が漂い、息つく間はありません。終盤の刹那の攻防は見ものです。

CIAの映画と言えばボーンシリーズなどがありますが、この映画はよりCIAの仕事を現実的に受け止めることができます。(だって実話だしね…)

音楽は「英国王のスピーチ」のアレクサンドル・デスプラ。



2012年10月21日日曜日

「タイタンズを忘れない」

前回「マンデラの名もなき看守」という黒人差別をテーマにした作品を観ました。そして次の作品として偶然選んだ作品がまたも【人種の壁】をテーマにした実話が基。「タイタンズを忘れない」(2000)というアメリカンフットボールの物語。
よく映画の番宣で『全米が泣いた』というフレーズがありますが、私はこの作品のためにそのフレーズがあると思っています。それ程に私も涙し、感動しました。舞台は1970年の人種差別が渦巻くアメリカヴァージニア州に生まれた白人・黒人混合のフットボールチーム。
赴任してきた黒人コーチ、ブーン(デンゼル・ワシントン)とディフェンスコーチとしてヨースト(ウィル・パットン)が指揮をし、点と点が線になり、そして円になり、個人・チーム・地域を巻き込みながら優勝するために奇跡を起こしていきます。
事実は小説よりも奇なりとはよく言ったもので、本当にこれが実話なのだから驚きです。後半40分は涙が止まりませんでした。
アメリカンフットボールをあまり知らない人でも楽しめる、かなりお勧めの映画です。流石はディズニー。

映画というのはその作品ひとつひとつを観てももちろん面白いものですが、繋がりのある関連性の高い作品を見るとお互いの価値が相まって面白さが倍増することもあります。今作と「マンデラ~」もそうですし、例えば9.11のテーマで言えば、ハイジャックされた飛行機を舞台にした映画「ユナイテッド93」を観た後、墜落テロが行われた場所をテーマにした「ワールド・トレード・センター」を見ると、流れを掴みやすくなり、より感情移入できます。お勧めの映画鑑賞スタイルです。


「マンデラの名もなき看守」

南アフリカのアパルトヘイト体制下、とある看守の手記を映画化した「マンデラの名もなき看守」(2007)を観ました。
もちろんタイトルのマンデラとは元南アフリカ代8代大統領ネルソン・マンデラの指しています。
この映画の称賛すべきは邦題で、原題は「Goodbye Bafana」となっています。もちろんこのタイトルもセンスが光る素晴らしいタイトルだとは思いますが、何がテーマかまるでわかりません。それをマンデラという誰もが知る人の名前を用いることで、少なくとも原題よりは手を取ってもらう確率は上がったのでは無いでしょうか。

この作品の見所は、徹底した役作りです。この映画は作中で22年の月日が経過します。その時の流れに違和感を感じさせることの無いメイクと俳優陣の演技が素晴らしかったです。
そして何より黒人差別という重いテーマに関わらず、観ることに苦痛をを感じません。それはマンデラ視点でも黒人視点でも無く、ジョセフ・ファインズ演じる看守視点で物語が描かれているため、実際に起こった事件・事故・殺人などは全て便りとして届けられるからです。
これが実際のアパルトヘイトを軽視しているという声もあるかもわかりませんが、より大勢の人に当時の南アフリカを知ってもらうにはいい構成だったと思います。そしてもう1つこの作品の興味深い点が、俳優人の出身がバラバラだということ。
ジョセフ・ファインズはイギリス人だし、奥さん役のダイアン・クルーガーがドイツ、デニス・ヘイスバートはアメリカです。監督のビレ・アウグストはデンマーク。この作品には人種差別を無くすという願いが込められているからかですかね。


最後に、知識不足の私が【そもそもなぜ南アフリカでアパルトヘイトが行われているのか】に興味を持ち調べてみました。
恐らく多くの人が誤解しているのは南アフリカの成り立ち。黒人の国のイメージが強いが、この国は黒人は本来黒人は暮らしておらず、白人が入植してつくった白人の国だということ。つまり黒人が移民してきたのです。黒人の人口増加率は著しく、白人が黒人に国を乗っ取られてしまうのを危惧し、アパルトヘイト制度を施行した…という訳らしいです。
うーん、歴史の勉強を持っとせねば…


2012年10月16日火曜日

「マディソン郡の橋」

「マディソン郡の橋」(1995)を観ました。
クリント・イーストウッドが製作・監督・主演を務め、メリル・ストリープと共演。
不倫をテーマにしていますが、日本の昼ドラの様に、醜悪などろどろとした話では無く、美しい大人な愛の物語です。
アイオワ州の片田舎で、単調な日々を送る主婦(フランチェスカ)と、世界を旅するカメラマン(ロバート)が出会い、恋に落ちるたった4日間の出来事。
初めて出会った時、2人が1歩ずつ歩み寄るシーンがありますが、この時点で恋を示唆しているのがわかります。そしてロバートがフランチェスカに言った「僕は君に会うために旅をしてきた」という言葉がそれを裏付けています。
2人がとった愛の形がとても綺麗でした。
不倫・浮気は悪…そんな社会を風刺したクリント・イーストウッドの名作中の名作。
この橋は、死ぬ前に一回見に行きたいな。


2012年10月9日火曜日

「Somewhere」

ソフィア・コッポラ作「Somewhere」を観ました。
恐らく10人中8人は「つまらない」と言うでしょう、しかしこの作品はとても深く考える部分が多い作品だと思います。
ストーリーは本当にシンプルそのもので、娘の姿を見て、改心する親の話です。起承転結を凝縮すると恐らく5分で終わります。この映画の特徴は”間”を十分過ぎる程取ることで、ソフィア・コッポラのメッセージを感じる事ができます。ポールダンスで踊るシーン、プールで往復するシーン、シャワーシーン…この間が何を意味するのか、それを考えることがこの映画を鑑賞するということであると思います。
ちなみに娘役のエル・ファニングは僕の大好きな女優さんです。今回も本当に可愛すぎて、末恐ろしいです。もちろんダコタ・ファニングも大好きですが。
この映画は休日にハーブティーを飲みながらみたいお洒落な映画です。
オススメ(^^)v





「英国王のスピーチ」

アカデミー作品賞受賞作「英国王のスピーチ」を観ました。
やはり前評判のごとく素晴らしい作品でした。俳優陣も豪華ですね。
英国王役にコリン・ファース、治療者ローグはジェフリー・ラッシュ、英国王の兄にガイ・ピアーズ、エリザベス役にヘレナ・ボナム=カーター…と全員知ってる名前です。
ニューヨーク誌は「魂を昇華する物語」と賞賛してましたが、まさにその通りで、思いを昇華させた形の1つが「言葉」なのかなと思います。その昇華のさせ方が下手な、吃音症に苦しむ王と独自の手法でそれを治療するローグの出会いと葛藤と成長の物語です。
第二次大戦前夜の英国王のスピーチ、それにどれほどの影響力があるか計り知れませんが、そのスピーチがあって今の英国、そして日本があると思うと感慨深いです。
音楽は「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い 」のアレクサンドル・デスプラです。



「フィッシュストーリー」

伊坂幸太郎が原作「フィッシュストーリー」を観ました。私は伊坂幸太郎の小説の大ファンですが、この作品に関しては原作を読んだことはありませんでした。映画で内容を知ることになったのですが…
ストーリーは、いくつかの時代の話が並列して行われ、最後に一つにまとまります。頭の中で整理することもそれほど難しくなく、最後にはすっきり終えることができます。スタッフロールの役名の部分ででハッとさせられたのはこの映画は初めてです。そこで全てがひとつに繋がりました(ただ単に私の思考回路が鈍いだけかもですが…)
この映画の鍵はずばり「Fish Story」という曲です。斉藤和義が楽曲プロデュースしており、ブルーハーツよりファンキーな感じに仕上がってます。というか高良健吾、普通に歌上手過ぎます。
総じて、感想はまぁまぁ面白いっといったところです。「アヒルと鴨のコインロッカー」程の衝撃や、「ゴールデンスランバー」の様なハラハラ感も無いですが、子供心くすぐるノスタルジックな感じが見ていてよかったです。
でもこれって結局誰が主役だったのだろう…?


「グッバイ、レーニン!」

最近、見る映画に外れがありません。まぁ評判のいい映画を選択してるのでそのはずなのですが。
今回観た「グッバイ、レーニン!」も当たりでした。2003年公開のドイツ映画です。
まず、題名にセンスを感じます。レーニンと書いてあるにも関わらず、レーニンは銅像でしか出て来ません。しかし間違いなくレーニンはこの映画の主役といってもいい程の役を担っています。
奇しくも私が生まれた1988年はドイツがまだ東と西に分かれており、翌年にベルリンの壁が崩壊しました。丁度その時期のとある社会主義の母がいるファミリーの視点で描いています。この映画の面白いポイントが東西統一をフィルムスピードを上げるなどしてコミカルに表現していることです。自虐的に社会主義と資本主義を描いているので、どちらにも反感を抱かずみることができます。
この映画のストーリーも面白いです。社会主義者の母に気付かれないように、資本主義化してゆく街並みをごまかし続ける息子の看病の姿勢に愛と笑いを感じ、同時に時代背景も知ることができます。


「ビッグ・リボウスキ」

映画好きにとことんお勧めしたい映画に出会いました。
鬼才コーエン兄弟が生み出したコメディー映画「ビッグ・リボウスキ」…とことん面白いです。正直ストーリーは複雑で、すべてを理解するには難しい作品ですが、そんな事はどうでもいいのです。
ジェフ・ブリッジス演じるダメダメ男ジェフリー・“デュード”・リボウスキが同性の大金持ちに間違えられて、事件に巻き込まれます。
が!さらにそれをジョン・グッドマン演じるデュードの友達ウォルター・ソブチャックがハチャメチャにします。
突っ込みどころが多すぎて、何を書いていいのかわからないほど。
昔のドデカイ電話を持ち歩いてる割に電話に出なかったり、イーグルスを否定し、クリアデンスクリアーウォーターリバイバルを敬愛してる割に、「ホテル・カルフォルニア」が流れてきたり、友人の位牌をコーヒーの缶に入れちゃったり。
年に1度は観たい、素敵な映画に出会えました。

ちなみにデュードがいつも飲んでるお酒「ホワイト・ロシアン」が少し気になったので作り方を調べてみました。

コーヒー味リキュール   60cc
ウォッカ  60cc
生クリーム(又は牛乳) 100cc

今度飲んでみたいと思います(^^)


「12人の優しい日本人」

三谷幸喜作品「12人の優しい日本人」(1991)を観ました。
当時に”もしも日本に陪審制度があったら”という仮定のもと作られた、陪審室で繰り広げられる陪審員達の討論です。
わずか5分で無罪と決まったものの、そこから人情劇が始まり、判決はもつれにもつれます。
良くも悪くも人間味あふれるド素人たちの根拠のない主張に笑えます。
「美人だから無罪」とか「30過ぎの無職男は死んで当然」とか。
中には理論的に論破してゆく人もいて、そこから安楽椅子探偵的に話が進みます。三谷幸喜は閉鎖空間においてストーリを作り出すのが本当に上手です。
この映画が暗示したかの如く、現在の日本では陪審制度が始まっています。もし自分が陪審員になったらどうするか、一度この映画で勉強されるのもいいのではないかと思います(笑)
ちなみに若かりし頃の豊川悦司もいます。


「グッド・ウィル・ハンティング/旅たち」

「グッド・ウィル・ハンティング/旅たち」観ました。
端的に言えばマット・デイモン演じる天才ウィル・ハンティングと、ロビン・ウィリアムズ演じるセラピスト、ジョージマグワイアとの出会いの話です。キャッチコピーは「あなたに会えて本当によかった」ですから、この出会いがいかに重要かがわかります。
天才が故、あまり理解されてこなかった考えがジョージによって開放され、愛を知ります。
素晴らしいのが、この脚本力。有名な話ですが、幼馴染のマット・デイモンとベン・アフレックが無名時代に脚本してます。
それがアカデミー賞脚本賞をとってしまうから驚きです。
最後のセリフがもう、本当にかっこ良いんです。ぜひ観ていただきたい。そして脚本だけでなく、マット・デイモンの演技力も素晴らしい。ハーバード大出身の片鱗が見てとれます。
個人的に気になったのは、ランボー教授を演じていたステラン・スカルスガルドという俳優。どこかで見たことあるなと思ったら「ドラゴン・タトゥーの女」のあいつでした。

監督は「小説家を見つけたら」のガス・ヴァン・サントで彼はアカデミー監督賞にノミネート。音楽は「スパイダーマン」などを手がけるダニー・エルフマンです。優しい音楽で、心地よい気持ちになれます。




2012年9月30日日曜日

「Biutiful」

アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の2010年度メキシコ映画「Biutiful」鑑賞。同年アカデミー外国語映画賞にてノミネートされてます。
主演は「ノーカントリー」で冷鬼の殺人者を演じたハビエル・バルデムで、彼も同年アカデミー男優賞にノミネート(因みに「ノーカントリー」にて受賞済み)されてます。因みに彼の妻はペネロペ・クルスだったりします。

「余命2ヶ月の父親」と書くと涙誘うセカチューものをイメージしますが、全く違います。セカチューの様な淡い色調の背景とは真逆に、黒くとにかく重いです、この映画。職種・人種・性・国・身分など様々な”壁”がこの世には存在しますが、今作品でそれらが如実に表現されています。

メキシコ映画ですが、舞台はスペインはバルセロナです。サグラダファミリアを臨む都市がこんな状況だとは…無知な自分が恥ずかしくなりました。それを知るだけでもこの映画は見る価値あると思います。

「Biutiful」という単語は、誤字です。しかしその誤字にこそ父親としての愛の形と、生き方が垣間見えます。様々な犠牲と、子供への愛への注ぎ方、さらに余命いくばくも無い彼を取り巻く周囲の環境に注目です。

この作品の音楽は「バベル」にてアカデミー作曲賞を取ったグスターボ・サンタオラヤが担当してます。
また、今作品はカメラワークが秀逸です。焦点のあて方、人や鳥、車の撮影の仕方にかなりの拘りがあり、儚く、さらに揺れ動く環境を上手に表現していると思いました。 


「空飛ぶペンギン」

やっぱりジム・キャリーはこうでなくっちゃ!と思える作品「空飛ぶペンギン」観ました。
感想ですが、まずペンギンが可愛すぎる!恐らくCGだろうけど、リアルそのもので愛らしさも本物以上です。常に頬が緩みっぱなしで見てられます。それにジム・キャリー無双が付加されて、笑いが絶えません。本当に歳を感じさせない素晴らしい俳優だと思います。
ストーリーもベタといえばベタな心暖まる話ですが、それをペンギンと俳優陣がレベルを1つも2つも上げてくれています。私は不覚にも涙してしまいました。

劇場公開も宣伝もされていない作品ですが、だからこそぜひお薦めしたい作品です。誰と見ても面白いですよ。

2012年9月23日日曜日

「大洗にも星はふるなり」

「大洗にも星はふるなり」観ました。
「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」で脚本を務めた福田雄一が監督。
さすがの脚本力というべきか、笑いの組み込みが上手で、本当に笑いました。

クリスマスイブに茨城県大洗の海の家を舞台に、マンドナ(戸田恵梨香)をめぐる超個性的な男達が繰り広げるハチャメチャコメディー映画です。冬の海の家ってシチュエーションがまたいいですね。
個人的に山田孝之の演技力には脱帽してばかりで、今作も彼の演技の幅の広さを改めて知りました。

夏も終わり、冬に向かうこの時期ならではのお勧めの映画です。


「ダーティハリー」

クリント・イーストウッドの当たり役「ダーティハリー」鑑賞(1971年作品)。
若かりし頃のクリント・イーストウッドを見るのは意外にも初でした。
まず、序盤の銀行強盗へのキャラハンの冷静な対応が印象的です。ホットドッグを口に入れ、噛みながら敵を銃で黙らせる…かっこいい。
そして最後にアメリカ警察の実情に嫌気が刺したキャラハンがとったラストの行動に痺れます。

私は知りませんでしたが、新米警官にはよく「ダーティハリー症候群」というものがあるそうです。正義の名のもとに犯罪者を自ら次々と処刑してゆく…と文字にすると誤った方向の正義な感じがします。実際にはそこに感情などの背景が存在し、例えばキャラハンの行動が生まれると思います。もちろん正しいとも誤っているとも思いませんが。

この映画の音楽はラロ・シフリン、「ミッション・インポッシブル」や「燃えよドラゴン」で有名な音楽家です。今作は上2つの様に頭について離れないという音楽では無いですが、それでも緊張感とサスペンスフルな感じをうまく表現でいていると思います。

2012年9月22日土曜日

「MAJESTIC」

「MAJESTIC」鑑賞。
監督は「グリーンマイル」や「ショーシャンクの空に」でお馴染みのフランク・ダラボン、主演はジム・キャリーです。
ジム・キャリーは「マスク」や「イエスマン」などでコメディー色が強いのですが、今回は比較的に真面目な役でした。

記憶をなくし、漂流したとある街で、”ヒーロー”として映画館の再建に着手するが…とストリートはシンプルですが、この映画のを少し難しくするワードとなるものが【共産主義】です。この言葉を理解できていないと、映画を120%楽しめないかと思います。
アメリカは労働者の保護はあまりしない国で、共産主義はそれと敵対します。
だからソ連と敵対してたのです、共産主義は宗教を否定するとか。まぁ、私は【共産主義】については無知ですが、そこまで深く考えなくても十分楽しめたので良しとします。


「金田一少年の事件簿 上海魚人殺人事件」

なぜか最近「金田一少年の事件簿」(堂本剛 ver.)がマイブームです。
そして小学校低学年の頃に見たこの「上海魚人伝説」を再鑑賞しました。
正直、ただ怖かった…としか印象に残ってなかったのですが、24歳になったいま見ても本当に面白い!大人になった今だからこそ、あの時できなかった”金田一より先に事件の謎を解く”という楽しみがあります。

驚いたことは、なんと水川あさみが中国人ヤン・レイリーとして出演しているということ。実は15年前に見たことあったなんて…

金田一は音楽もスリリングで多分かなりの人のトラウマソングとして記憶されていると思います。実はこの作曲家の見岳章氏は知る人ぞ知る名作曲家で、美空ひばりの「川の流れのように」なども手掛けています、意外です。
そして今や超有名監督 堤幸彦氏もこの作品で世間に知らしめました。

映像的にも音楽的にも、映画背景的にも面白い作品なのでぜひお勧めします。


2012年9月18日火曜日

「るろうに剣心」

実写版「るろうに剣心」を観に行って来ました。
映画もアニメも観てきた私ですが、実写化と聞いてマイナスにイメージが働きました。特にキャスティングを聞いて正直「それは無いだろ…」って思ってました。

しかし蓋を開けてみれば要所を上手にまとめたストーリーと見事な殺陣でかなり楽しめました。また、配役に関しても違和感はさほど無く、特に刃衛役の吉川晃司に関してはハマり過ぎです。
音楽は尊敬してやまない佐藤直紀氏でしたし、エンディングのONE OF ROCKの曲もかっこ良かったです。
「スペースバトルシップヤマト」の際にも思ったのですが、やはり映画は偏見は持たす、頭の中のキャンパスは真っ白な状態で鑑賞した方が楽しめます。

続編があるのではないかと期待してます。
そうしたらまた観に行きたいです


2012年9月11日火曜日

「最強のふたり」

「最強のふたり」を映画館に観にいってきました。
フランス映画ということで、近所の映画館では公開しておらず梅田まで行ってきましたが、その往復交通費が痛くも痒くも無いほどに素晴らしい映画でした。
ストーリーは先日鑑賞した「小説家を見つけたら」に通ずるものがあり、黒人と老人の交流による化学反応を楽しむものです。そしてこの映画はとにかく笑えて元気になります。また障害者に対する接し方など必要なく、人として接することの大切さも学びました。
サントラも挿入歌も非常に良かったです。段階的なピアノの旋律が今でも頭に残っています。
既にハリウッドでリメイクされることが決定されているので、公開したらそちらも見に行きたいと思います。



2012年8月22日水曜日

「小説家を見つけたら」

2000年の米映画「小説家を見つけたら」観ました。
ショーン・コネリー演じる”元”小説家ウィリアム・フォレスターと、16歳のバスケットと書物、2つの才能をもつ純粋な少年が出会い、お互いに変化をもたらし成長していく心暖まる作品です。何よりウィリアム・フォレスターの成長が顕著に見てとれ、目頭が熱くなります。
またエンディングのカメラワークとエンディングソング「Somewhere Over the Rainbow / What a Wonderful World」への入りが素晴らしく、そしてエンドロールの演出もこの映画のテーマである”友情”を強く訴えています。
それとは別に、ウィリアム・フォレスターが自転車を漕ぐシーンが特にお気に入りです。


「メメント」

クリストファー・ノーラン監督作「メメント」鑑賞しました。
時系列を逆にし、物語を終わりから始まりまでの流れで描く斬新さはアカデミーで脚本賞を受賞だけあります。そして結末まで辿りついた時、必ずすぐにでもこの映画を見返したくなります。
10分しか記憶が持たない病気(?)を抱えた男(ガイ・ピアース)が、妻を殺した犯人を突き止める…こう書くだけで面白そうではありますが、物語はかなり複雑、だけどシンプルな結末です。名脇役ジョー・パントリアーノの演技に注目です。本当に何度でも何度でも見たくなる作品、素晴らしかったです。


2012年7月30日月曜日

「レインマン」

「レインマン」鑑賞。1988年のアメリカ映画という事で余談ですが、生まれが私の年と一緒です。若いトム・クルーズですがファッションに年代を感じます。
音楽の担当がハンス・ジマーでした。TOTOっぽい感じでしたので最近の作品と比べて違和感がありました。
物語は自閉症と兄弟をテーマに描かれています。この2つのキーワードが今の自分の心にダイレクトに響き感動しました。
まずダスティン・ホフマンがこの自閉症を表現しています。完璧主義者だけあり、自閉症についてかなり勉強をしたのでしょう。言葉が適切かどうかわかりませんが、本当に素晴らしい演技です。
そしてトム・クルーズ演じるチャーリーが、この自閉症の兄との絆を気づかぬ内に縮めていきます。やはり血の繋がった兄弟は、どんな形でも愛はありますよね。私も口を聞かなくなった兄貴がいる身として、兄弟について深く考えました。取り扱い方が難しい点では一緒かもしれません、仲良くできるように距離を縮めていきたいものです。


「ミリオンダラー・ベイビー」

巨匠クリント・イーストウッド監督アカデミー賞作品賞受賞「ミリオンダラー・ベイビー」、クリント・イーストウッドとモーガン・フリーマンの共演で、さらに主演女優のヒラリー・スワンクもアカデミー賞を受賞しています。

クリント・イーストウッドは常にアメリカを風刺していて、今作も尊厳死について重く描写しています。
ヒラリー・スワンクの役作りはすごいです。オリンピック選手並の筋肉を付けたボクサーと思いきや、げっそり痩せた病人を忠実に表現しています。そしてサクセスストーリーからのカタストロフィ、もう何も言葉が思いつきません。
この作品は本当に深いです。きっと一回見ただけじゃ何もわかりません。
もう一回観たいと思います。


「奇人たちの晩餐会」

1998年のフランス映画 「奇人たちの晩餐会」観ました。
コメディー映画です。そして最高です、この作品。かなり笑わせてもらいました。
フランスのコメディーは初見でしたが、ここまで面白いとは…脱帽です。
まず、設定が面白いです。

”バカな人たちを集めてバカにする晩餐会”をとある金持ちが道楽で主催するのですが、そのバカの収集にもかなり本格的、そして選ばれたピリョン(写真左)がバカの上に超が2つ付く程のバカ。そしてこのピリョンと主人公のやりとりが傑作です。

時間も1時間少しなので飽きることもなく、腹の底から楽しめる作品です。



「ソード・フィッシュ」

「ソード・フィッシュ」 2001年のアメリカ映画、監督はドミニク・セナです。
天才ハッカー役にヒュー・ジャックマン、いつでもクールなボス役にジョン・トラボルタ、二面性を持つ謎の美女にハル・ベリー。個人的にはヒュー・ジャックマンがどうしてもハッカーって感じがしなかった(もちろん、ハッキング以外の演技に違和感は無いのだけれども)です。

この映画を見る上でキーワードとなるのが”思い込み”です。つまり手品の如く人の思いを欺く…それを冷静沈着にジョン・トラボルタはやってのけます。皮肉にもその被害者となるヒュー・ジャックマンは「プレステージ」という作品で、マジシャンの役をやっているのです、なんともミイラ取りがミイラになる感じで鑑賞してました。
序盤に爆破のシーンがありますが、それを見るだけでもかなりのお金がつぎ込まれていることがわかります。
総じて、かなり面白かったし完璧に騙されました。
先の見えない展開で、人の心理のさらに上をいくトリックは必見です。



2012年7月29日日曜日

「涼宮ハルヒの消失」

ここ最近、長編アニメーション映画がマイブームです。
そして今回、「涼宮ハルヒの消失」を見終わりました。
まず第一にアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」シリーズを全部観てる身としてこれは映画館で見ておくべきだったと反省。京都アニメーションの真価は以前見た「けいおん」よりこちらの方が表れている気がします。
そしてストーリーが素晴らしい。タイムパラドックス系特有の見終わった後に頭の中で整理する時間がかなりかかったけれども、最後のシーンの真意なども含め、いろいろ考えさせる(=視聴者にいろいろな視点を持たせる)映画なのでしょう。
声優の杉田智和さんもこれがプロ!と言わんばかりの名演技。「カ◯フル」という長編アニメーション映画のキャストに学んでいただきたいところです。

…とずらずら書きましたが、かなり満足度の高い映画でした。

2012年7月23日月曜日

「おおかみこどもの雨と雪」

「おおかみこどもの雨と雪」観てきました。

涙こそ流さなかったものの、学ぶべきことがたくさんあります。
特に子育てに奮闘するママさん達には人一倍感動するはずです。
また見終わった後、親に感謝したくなります…そんな映画です。

個人的に感動したのはサントラです。前回の細田守作品「サマー・ウォーズ」は松本晃彦氏だったけど、今回は高木正勝氏に変わっています。SWが素晴らしかっただけに、今回どんな感じになるか期待と不安のもと鑑賞しましたが、いい意味で裏切られました。素晴らしい、素晴らしいかな高木正勝。


2012年7月22日日曜日

「けいおん!」

「映画 けいおん!」やっと観ました。
なんと感想を言ったらいいかわかりませんが、普通に感動します。
期待を裏切らない”緩さ”とテンポ、そして最後の梓に贈る歌も普通に涙腺に響きました。ただ最後にもう一押しあれば涙流せたと思うだけに、悔やまれます。ちなみにほぼ梓メインの映画なので梓好きには嬉しいですね。
あと当たり前ですが、この映画を見るにはアニメ1期、2期を観る必要があります。いきなりこの映画だけ観てもわからないと思うのでご注意を。


2012年7月13日金曜日

「トランスフォーマー ダークサイド・ムーン」

観ました、「トランスフォーマー ダークサイド・ムーン」。
今作で一番驚いたことは、なんとミーガン・フォックスが出演していない、という事。せっかく2作ヒロインを務めたので今作も出演し”純愛”を貫いて欲しかったと思いました。
そして今作は人間の戦いに注目です。人間でもディセプティコンにここまで立ち向かえるぞっということを証明させました。映像美もコマ数が増えた感があり制作サイドの苦労を感じます。
しかしアポロやチェルノブイリなど事実に基づいた事柄にトランスフォーマーの話を無理やりねじ込んだ感が否めず、さらにあっけなくエンドを迎えます。続編があるなら期待したいです。


2012年7月10日火曜日

「Limit of Love 海猿」

土曜日に地上波でやっていたので流し観てしまいました。
「Limit of Love 海猿」、監督の羽住英一郎氏については全く知らないので割愛します。海上保安官という職…命と隣合わせで褒められることも少ない中、どんな状況にあっても任務を自分の信念のもと遂行する…もちろん作品なので事実でないこともあるかと思いますが、それでも日々だらしなく仕事を行なっている人に観て感化して頂きたい。
音楽の佐藤直紀は私が一番好きな作曲家です。今作品も素晴らしいです。
俳優陣に関しては、超一流の皆さんなのでずっこけることも無く、普通に感動できます。(ただし個人的に伊藤英明の演技はあまり好きでない…)
今週には3が地上波で放送され、翌日には4が映画公開です。
お金に余裕があれば見に行こうと思います。


2012年7月9日月曜日

「トランスフォーマー リベンジ」

マイケル・ベイ監督「トランスフォーマー リベンジ」観ました。
トランスフォーマーを超えるCG作品ってあるの?って思う程、他の映画を圧倒する映像美、そして重低の効いた効果音。
続編なので1stみてない人は話置いてかれますが、それをフォローする圧倒的な映像美(大事なので2回言いました笑)。
男子は基本好きですよね、こうゆうロボットもの。
シャイア・ラブーフは少し大人っぽくなりましたね。
個人的にジョシュ・デュアメルにもっとスポットを当ててもいいのではと思いました。
続編「ダークサイド・ムーン」も楽しみです。



2012年6月24日日曜日

「SPACE BATTLESHIP ヤマト」

僕が見た映画の中で、最も5.1chを活かしている映画、それが「SPACE BATTLESHIP ヤマト」だと思いました。これこそ映画館で見るべき美しさのCGと音楽です。日本屈指のCGクリエイターが集結し、宇宙戦艦ヤマトを全く別の世界で魅了させます。そしてキャストの容赦無い豪華さは…もういくらお金を使っているのでしょうか。
監督・音楽はALWAYS三丁目の夕日でお馴染みの山崎貴&佐藤直紀の僕が一番好きなコンビ。
あまり評価が高くなかったこの映画、僕の中じゃかなり上位にランクインされます。やはり映画は人それぞれ。