2012年9月30日日曜日

「Biutiful」

アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の2010年度メキシコ映画「Biutiful」鑑賞。同年アカデミー外国語映画賞にてノミネートされてます。
主演は「ノーカントリー」で冷鬼の殺人者を演じたハビエル・バルデムで、彼も同年アカデミー男優賞にノミネート(因みに「ノーカントリー」にて受賞済み)されてます。因みに彼の妻はペネロペ・クルスだったりします。

「余命2ヶ月の父親」と書くと涙誘うセカチューものをイメージしますが、全く違います。セカチューの様な淡い色調の背景とは真逆に、黒くとにかく重いです、この映画。職種・人種・性・国・身分など様々な”壁”がこの世には存在しますが、今作品でそれらが如実に表現されています。

メキシコ映画ですが、舞台はスペインはバルセロナです。サグラダファミリアを臨む都市がこんな状況だとは…無知な自分が恥ずかしくなりました。それを知るだけでもこの映画は見る価値あると思います。

「Biutiful」という単語は、誤字です。しかしその誤字にこそ父親としての愛の形と、生き方が垣間見えます。様々な犠牲と、子供への愛への注ぎ方、さらに余命いくばくも無い彼を取り巻く周囲の環境に注目です。

この作品の音楽は「バベル」にてアカデミー作曲賞を取ったグスターボ・サンタオラヤが担当してます。
また、今作品はカメラワークが秀逸です。焦点のあて方、人や鳥、車の撮影の仕方にかなりの拘りがあり、儚く、さらに揺れ動く環境を上手に表現していると思いました。 


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