2012年10月21日日曜日

「マンデラの名もなき看守」

南アフリカのアパルトヘイト体制下、とある看守の手記を映画化した「マンデラの名もなき看守」(2007)を観ました。
もちろんタイトルのマンデラとは元南アフリカ代8代大統領ネルソン・マンデラの指しています。
この映画の称賛すべきは邦題で、原題は「Goodbye Bafana」となっています。もちろんこのタイトルもセンスが光る素晴らしいタイトルだとは思いますが、何がテーマかまるでわかりません。それをマンデラという誰もが知る人の名前を用いることで、少なくとも原題よりは手を取ってもらう確率は上がったのでは無いでしょうか。

この作品の見所は、徹底した役作りです。この映画は作中で22年の月日が経過します。その時の流れに違和感を感じさせることの無いメイクと俳優陣の演技が素晴らしかったです。
そして何より黒人差別という重いテーマに関わらず、観ることに苦痛をを感じません。それはマンデラ視点でも黒人視点でも無く、ジョセフ・ファインズ演じる看守視点で物語が描かれているため、実際に起こった事件・事故・殺人などは全て便りとして届けられるからです。
これが実際のアパルトヘイトを軽視しているという声もあるかもわかりませんが、より大勢の人に当時の南アフリカを知ってもらうにはいい構成だったと思います。そしてもう1つこの作品の興味深い点が、俳優人の出身がバラバラだということ。
ジョセフ・ファインズはイギリス人だし、奥さん役のダイアン・クルーガーがドイツ、デニス・ヘイスバートはアメリカです。監督のビレ・アウグストはデンマーク。この作品には人種差別を無くすという願いが込められているからかですかね。


最後に、知識不足の私が【そもそもなぜ南アフリカでアパルトヘイトが行われているのか】に興味を持ち調べてみました。
恐らく多くの人が誤解しているのは南アフリカの成り立ち。黒人の国のイメージが強いが、この国は黒人は本来黒人は暮らしておらず、白人が入植してつくった白人の国だということ。つまり黒人が移民してきたのです。黒人の人口増加率は著しく、白人が黒人に国を乗っ取られてしまうのを危惧し、アパルトヘイト制度を施行した…という訳らしいです。
うーん、歴史の勉強を持っとせねば…


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